「サッカー選手の正しい売り方」を読んでみた。
小澤一郎氏の「サッカー選手の正しい売り方」(カンゼン社)を読んでみました。
年末年始にかけて暇な時間が多いと思い、
日頃なかなかできなくなった読書でもしようかと考え書店で手にした一冊。
2012年発行のため情報がやや古いですが、
日本人サッカー選手の移籍について知ることができます。
(誤字脱字が多いのが第一印象)
本著が発行された時期は日本代表クラスの0円移籍が相次いでいました。
岡崎慎司選手の移籍で表面化したこの問題についての検証を中心に、
・Jクラブの海外移籍に対する認識
・FIFAルールに基づく欧州クラブの移籍に対する常識
・代理人との付き合い方
・日本人サッカー選手の海外市場価値の高め方
などについて書かれています。
結論から言うと、日本独自のガラパゴス化されていたJリーグの移籍システムを捨て、
国際基準に沿った移籍システムへ移行する必要があるということ。
選手を「抜かれる」という意識ではなく、
選手を「売り込む」意識で海外クラブと付き合っていく必要があるということです。
個人的にもその通りだな、と思います。
発行から4年経った現在の日本サッカー界ではすでにそういう体制になっているかもしれません。
私がサッカー専門学校にいた頃、すでにアマチュア選手を対象とした
欧州(とくに東欧)への移籍斡旋ビジネスに取り組む企業もたくさんありましたし。
お金さえ出せばある程度のレベルの選手なら海外リーグでプレーすることは可能な時代。
高額な学費を払ってまで日本の専門学校でサッカーをさせようとしていた我々も、
戦略の転換が急務だと感じていました(結局、できませんでしたが)。
とはいえ、本著でも指摘しているように、
日本人選手に高い市場価値を感じる海外クラブはまだまだ少ない状況です。
いきなり高額な移籍金を求めるというより、
長友選手のような段階を踏んだ戦略を組む必要性はありそうですね。
とくに日本での実績もない選手は。
ただ、この考え方はいまやJクラブというより、
以前働いていたサッカー専門学校のような選手育成機関で取り組むべきかと思いました。
Jクラブで実績ある選手の海外市場価値は高まっているでしょうから。
(CWC2016の鹿島アントラーズのレアルとの試合がいい例)
現在、なぜか私のところに韓国からの選手売り込み相談も増えているので、
なかなか参考になる本でした。